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歯科矯正治療のやり直し

面談をしたドクターは50代くらいの女性で、教授と呼ばれていた。その横に30代くらいの男性のドクターが待機している。
実際の治療はこの男性のドクターが行うとのことだった。
何枚かのレントゲン写真と、石膏で作った歯型の模型を見ながら話が始まった。

まず、10代の大半を費やして行った矯正治療の成果も虚しく、下顎が上顎より5ミリ近く前に出ており、十分に外科手術に値する症状であること。従って、これからの治療はすべて保険診療扱いになることの確認がされた(つまり3割負担で済むということ)。

次に治療のスケジュールを説明される。
私の場合、下顎の歯列の幅が上顎の幅より大きいために、前後の調節だけではうまく噛み合わせが作れないらしい。
よって、まず最初に上顎の歯列を左右に拡げる治療を行う。

この治療は、上顎の両側の奥歯に装置を嵌めて、それらの間にねじのような器具を取り付け、そのねじを毎日少しずつ回して顎の外側に向かって力を加えていく。

この時、うまくいけば頭蓋骨の上顎の部分の中心が左右に割れて拡がるらしい。これは元々頭蓋骨というのは左右別々の骨でできていて、それが大人になるにつれてひとつにくっついていくものだからだそうだ。ただ、ある程度年齢がいってしまっていると、頭蓋骨が完全にくっついてしまって左右に割れず、奥歯の歯列だけが外にずれてしまい、そのまま行くと歯が歯槽骨から落っこちてしまうとのこと。

私の場合、まず年齢的に微妙な時期であったので、この点がクリアできるかどうかが、治療の成否に大きく関係するそうだ。

歯槽骨さえ広がってしまえば、あとは1年くらいかけて歯列を整えて、外科手術となる。
外科手術で顎の骨をずらした後で噛み合わせがぴったりくるように調節するため、外科手術の直前はかなり不自然な噛み合わせになってしまうらしい。

外科手術は、全身麻酔で行い、切開は全て口の中から行うので、顔には一切傷が残ることはないらしい。

手術終了後は、また1年くらいかけて顎の状態が安定するのを待つ。どうしても人工的に顎の骨を動かした後は、周囲の筋肉が顎を元の状態に戻そうとする力を加えるため、時間をかけて慣らしていく必要があるらしい。この時には接着式の装置は付けずに、取り外しできる装置を付ける。そして段々と時間がたつにつれ、装置を付けるのを夜だけにしてゆき、術後1年くらいで完全に装置なしの生活に戻るらしい。
(つづく)
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