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外科手術まで2年間の矯正治療

そんなわけでたくさんの不満や疑念を抱えつつも、2度目の矯正治療が始まった。
通院は毎月1〜2回。平日の昼間なので、なかなか会社員の人には難しい時間帯だ。私は平日に休める仕事だったので良かったが。

治療内容は、定期的にワイヤーを締めて歯を動かしていくという昔ながらのやり方だ。
最初は上顎の幅を広げる装置を付け、3日おきくらいに真ん中のねじを回して力を加える。
そして1ヶ月後、診察に行った時にドクターの顔が曇った。
頭蓋骨が開かずに、歯だけが歯茎からズレてしまっているという。
やはり年齢が行き過ぎていたようだ。
頭蓋骨がすでに完全に固着しており、左右の合わせ目が開かなかったらしい。
これはもう、何度やっても無理とのことだった。

結局、歯槽骨そのものの幅を広げることができない以上、歯の位置をずらすことで対応するしかないとのこと。
矯正後の状態がそれだけ不安定になることを意味する。
残念だが、これも運命と諦めるしかなかった。
ただ、もう少し早く正しい情報が得られていれば・・・・

私の場合、外科手術前の歯並びを作るまでに2年近くかかった。
歯石の溜まりやすい体質で、歯茎も落ちやすいため、毎回歯石を落としながらの矯正治療だった。
手術前は、歯の噛み合わせ状態が一時的にとても悪くなるため、ものを食べるのに苦労する。
手術の半年前くらいに、入院日程を組んで、再度説明を受ける。
私の手術は9月の上旬に決まった!

過去の矯正治療で歯根が切断!?

面談の場で、自分の歯のレントゲン写真を見せられた。
ドクターはそこで気になることがあるという。

実は前歯の歯根が極端に短くなっている部分があるというのだ。
私はすぐにピンときた。
おそらく、過去の歯科矯正治療で無理な力が加わったせいだ。
ドクターもその見解に同意した。
現在は何の支障もないが、将来、歯槽膿漏になった場合に歯が抜けてしまいやすくなるという。

指摘された前歯の歯根は、他の歯とは違い、まるでカッターで切ったように途中でスパッと途切れている。

確かに10代の頃に受けた矯正治療は幼い自分の記憶から見ても、ものすごい力を長期間に渡って歯に加え続けてきたと思う。
あんなことをしたら人体に害が残ってもおかしくはない。

正直、私の心には過去の矯正治療に対する怒りが込み上げてきた。
ドクターも私の気持ちを察して、当時のやり方と現在の治療方針の違いを説明し、なるべく前歯に負担の掛からないよう注意して治療することを約束してくれた。

歯科矯正治療のやり直し

面談をしたドクターは50代くらいの女性で、教授と呼ばれていた。その横に30代くらいの男性のドクターが待機している。
実際の治療はこの男性のドクターが行うとのことだった。
何枚かのレントゲン写真と、石膏で作った歯型の模型を見ながら話が始まった。

まず、10代の大半を費やして行った矯正治療の成果も虚しく、下顎が上顎より5ミリ近く前に出ており、十分に外科手術に値する症状であること。従って、これからの治療はすべて保険診療扱いになることの確認がされた(つまり3割負担で済むということ)。

次に治療のスケジュールを説明される。
私の場合、下顎の歯列の幅が上顎の幅より大きいために、前後の調節だけではうまく噛み合わせが作れないらしい。
よって、まず最初に上顎の歯列を左右に拡げる治療を行う。

この治療は、上顎の両側の奥歯に装置を嵌めて、それらの間にねじのような器具を取り付け、そのねじを毎日少しずつ回して顎の外側に向かって力を加えていく。

この時、うまくいけば頭蓋骨の上顎の部分の中心が左右に割れて拡がるらしい。これは元々頭蓋骨というのは左右別々の骨でできていて、それが大人になるにつれてひとつにくっついていくものだからだそうだ。ただ、ある程度年齢がいってしまっていると、頭蓋骨が完全にくっついてしまって左右に割れず、奥歯の歯列だけが外にずれてしまい、そのまま行くと歯が歯槽骨から落っこちてしまうとのこと。

私の場合、まず年齢的に微妙な時期であったので、この点がクリアできるかどうかが、治療の成否に大きく関係するそうだ。

歯槽骨さえ広がってしまえば、あとは1年くらいかけて歯列を整えて、外科手術となる。
外科手術で顎の骨をずらした後で噛み合わせがぴったりくるように調節するため、外科手術の直前はかなり不自然な噛み合わせになってしまうらしい。

外科手術は、全身麻酔で行い、切開は全て口の中から行うので、顔には一切傷が残ることはないらしい。

手術終了後は、また1年くらいかけて顎の状態が安定するのを待つ。どうしても人工的に顎の骨を動かした後は、周囲の筋肉が顎を元の状態に戻そうとする力を加えるため、時間をかけて慣らしていく必要があるらしい。この時には接着式の装置は付けずに、取り外しできる装置を付ける。そして段々と時間がたつにつれ、装置を付けるのを夜だけにしてゆき、術後1年くらいで完全に装置なしの生活に戻るらしい。
(つづく)

昔と今とでは歯科矯正の内容が全然違う

まず、私と彼女の状況の違いを整理しておこう。
私が矯正治療を受けたのは、1979年〜1988年頃。
彼女が外科手術を伴う矯正治療を受けたのは、1995年〜1997年頃。
また、私は地方の私立歯科大の付属病院に通ったが、彼女は東京の私立歯科大の付属病院で治療を受けた。
地方と中央とで、医療技術の差異があるのかもしれない。

その時彼女から聞いた情報を箇条書きに揚げる。
・私の時は健康保険適用外で全額自費診療(数百万掛った)であったのに対し、彼女の場合は健康保険適用のため、当時の本人負担割合が安かったこともあり、驚くほど低額の治療費しか掛からなかった(年間二万円程度、手術の時は高額療養費の還付が受けられるため5万円程度)。
・私の時は前歯の噛み合わせだけしか調節されなかったのに対し、彼女の頃には前歯も奥歯も全てが一体として噛み合うように治療するため、手術後にはびっくりするほど物が噛みやすくなる。
・手術は顎の前部を削るのではなく、U字型をしたアーチの付け根を切断して、アーチ全体を奥へずらしてボルトで固定する。手術は一日で終わり、入院期間は1週間ほど。
・下顎の前突には舌の影響が大きく、舌を下の前歯の後ろに置く人は、舌が下前歯を押し出す力が加わり、下顎前突になりやすくなる。それに対して通常は、舌は上前歯の後ろに位置するため、むしろ上前歯を押し出す力が加わる。この舌の癖ひとつで矯正後の戻りが防止できるかどうかが決まる。
・歯全体のアーチを合致させるために歯列だけの移動では足りない場合には、歯槽骨(歯の土台となる骨)そのものの幅を拡げる処置が必要で、これは頭蓋骨の成長が終わる前でないと行えない。上顎の歯槽骨の幅が不十分だと歯列だけを動かして矯正しても歯列が安定しなくなる。
だから、できれば20代前半のうちに治療することが必要。

当時、私は26歳。最後の項目に引っかかっていた。
それでも私にしてみれば、あんなに長い間苦労して、しかも莫大な治療費をかけて矯正治療を受けたのに、こんな中途半端な状態で、下顎の前突も残ったままで、あとは戻る(下顎が前に出る)一方という自分と、大人になってからわずか3年ほどの治療(しかも保険適用)と手術によって、ほぼ完全な噛み合わせを獲得した彼女との違いは放置できなかった。
また、条件面では健康保険が適用になったというのが最も大きかった。それまでは歯科矯正というのは何百万もかかると言われていたのだ。
保険が適用されるようになったのは、噛み合わせの悪さによって消化吸収などの健康障害が起こりうるということから、近年は外科手術を伴うような大きな下顎前突症については保険診療に見直されたとのことだった。まさに自分のケースである。
それ以外に、過去の矯正治療が結局自分に痛みと出費だけをもたらし、下顎前突は完全に治らなかったことに対する不満と疑念があった。10代のころの自分は当然、矯正治療に関する専門知識もなく、親も医者に言われるままに治療を受けていた。
なのに、舌を上顎にくっつけるか下顎にくっつけるかの違いが症状の進行や治療の戻り(再発)に大きく影響することさえ指導されていなかった。一体なぜ自分がそんな目に遭わなければならなかったのか、どうすれば良かったのかを解明したかった。

当時私も東京に在住していたため、早速彼女の通った大学病院をはじめ、いくつかの有名歯科大の付属病院に電話で問い合わせた。
料金や予約の取りやすさなどから、やはり彼女の通っていた病院に決めて予約を取り、検査をしてもらった。
3時間ほどかけて、色々な角度から写真やレントゲンを撮り、さらに歯列の型をとった。その日の会計は3割負担で8千円程度だった。

そしてその2週間後、ドクターとの面談を受けた。
(つづく)



私が実際に体験した歯科矯正と口腔外科手術

実はかくいう私も顔の一部を切開する大手術を経験している。
ただ、それには複雑な経緯があった。
私は2度に渡って治療を受けたのである。

私は遺伝的に子供のころから下顎の発達が始まり、放っておけばアントニオ猪木や山田邦子のような顔になるということで、ある歯科大学の付属病院で歯科矯正を受けてきた。正確には小学校3年から「装置」と呼ばれる針金を歯に装着し、チンキャップと呼ばれるプロテクトギアみたいな物を就寝時に付けて寝る生活を余儀なくされてきた。

子供にとって歯科矯正の治療は相当大きな苦痛を伴う。
装置は常に圧力を加えて歯を移動させるのでとても痛いし、食事もしづらく、歯磨きを怠ればすぐ虫歯になってしまう。
私にも辛い思い出しかなかったし、そのような治療を自分に施す歯科医のことを好きにはなれなかった。
それでも、装置を付けないと、顎の骨を手術で削らなくてはならなくなると脅されて我慢したものだった。

小学校3年から始まった歯科矯正は、中学、高校と進むにつれてより大きな苦痛をもたらすようになり(成長の激しい時期にはそれだけ大きな力を歯と顎に加えるようになるからだ)、高校卒業と同時に終了した。

その時点で外見的にはそれほど下顎は目立たなくかったが、噛み合わせの方は上下の前歯がほとんど同じくらいの位置だった。そのため、大学を卒業するころには完全に下の前歯の方が前突してしまっていた。(人間の歯の噛み合わせというものは、顎全体の力のつり合いによって均衡しているため、噛み合わせがずれているとさらにズレが拡大してしまうことが多い。そのためしっかりと安定した噛み合わせを作らないと何年か後で顎の位置が戻ってしまうということがよくあるのである)

あんなに辛い思いをしてまで歯科矯正に耐えてきたのに、結局噛み合わせがきちんと治らず、前歯で物を噛み切ることもできないし、口元をどうしても気にしてしまい、表情もはっきりしない。また、噛み合わせの悪さは脳に伝わる振動の関係で集中力などに影響が出るらしい。

私は納得いかなかった。

こんな中途半端な治療ならしない方がましだ、そう思った。

私が25歳になった時、知り合いの女性が歯科矯正を始めたことに気付いた。確かに彼女は下顎前突症だった。
でも、彼女は外見的には十分魅力的だったし、なぜ今頃(当時24歳)歯科矯正を始めたのか不思議に思ったものだ。(それまでの私の知識では、歯科矯正というものは成長期にしか行えず、成長期に顎の成長を抑えることでしか治療もしくは緩和の方法はないと聞かされていた。)

そして一年ほど経ったある日、久しぶりに彼女と会って驚いた。
顔が変わっているのである。
まさに山田邦子みたいな下顎の尖ったイメージの顔つきから、全体に丸い感じの小顔に変わっていた。

ここまで変わるとは!

確かに彼女の顔は変わった。元の彼女の顔を知っている人間にはもちろんバレバレである。でも、正直言って、どちらも彼女の顔には違いなく、顎のラインが丸くなっても彼女であるということは誰の目にも明らかだった。
手術前と手術後と、どちらが魅力的かというと、どちらも同じとしか言いようがない。彼女は彼女。顔の一部が変わっても、同じ人間なのだから(こういうことは顔が変わるという体験をしないと分からないものだ。人間のパーソナリティは、顔が少々変化したくらいでは揺るがないというのが実感である)。

思い切って私は彼女に聞いてみた。
彼女の話にはそれまでの私の常識とはまったく異なる内容のことがたくさんあった。その内容は、10年もかけて歯科矯正治療に耐えた私の苦労が徒労にさえ思えるものだった。
(つづく)


美容外科の本当の目的

美容外科は確かに儲かる。

普通の医者は半径2キロ圏内が診察に来る患者の居住範囲だが、美容外科は他県からもお客がやってくる。腕のいい医者のところには、全国から患者(お客)が集まってくる。

例えば、美容整形の代表選手である「二重手術」。私の勤務していた診療所では一日に多い日で50件もの予約が入っていた。
また、自家用ジェット機まで持っているあのT須先生などは、年間売上高が100億近いという噂だ(ただし、そのうち22億を広告費に投じているが)。

美容外科という診療科目が正式に認められたのは昭和53年のこと。それまでは、形成外科(昭和50年〜)とか整形外科の名前で営業していた。
だから今でも美容外科手術のことを「整形手術」と言ったりする。

形成外科が見た目や機能の病的な異常を、手術などの治療で正常に近づけることが主な目標であるのに対し、美容外科では、病的でない正常な外観を更に改善するために手術を行うこととされている。

実際、美容外科で行う手術の大部分は形成外科のそれと技術的には一致するのだが、手術を行う目的が異なるために、名称が違い、健康保険の適用範囲も違ってくる。
以前はこのあたりの境界があいまいで、どちらも病気を治すわけではないという理由から、保険の適用外とされてきたが、近年では美容目的と機能回復や異常な外見修復は本質的に意義が異なるという認知が進んできたために、形成外科では多くの施術が保険適用となりつつある。

ただ、この業界に携わってきた者として言わせてもらうと、美容外科に通うことに対する皆さんや皆さんのまわりの人の感情の中には、日本人特有の差別や偏見があることを忘れないでほしい。

美容外科に来て、自分のお金で手術を受け、その結果として自分に自信を持つことができて、新たな生きがいの発見につながるならば、それは一種の心の治療ではないだろうか?

あなたの外見は自分がそれを望んで生まれてきたわけではあるまい。
だとすれば、自分の意思でそれを変えようとするのは、自分の人生を四分で決めるのと同じくらい価値のあるのではないか?
事実、アメリカでは歯科矯正やホワイトニングはもはやエチケットの一部と見なされているし、韓国や香港では日本よりもずっと気軽に普通の市民が美容外科に足を運ぶ。
一流ホテルにみすぼらしいジーンズが似合わないように、自分の人生のステージに相応しい外見を自ら着こなすのは、むしろ良識ある女性としては当たり前のことだと感じている。
確かに、これまでのあなたを知る関係者たちは、一瞬戸惑うかもしれないが、それは単に美容手術というものに慣れていないだけのことで、いつの間にか美しくなったあなたを、その外見に相応しい待遇で迎えてくれるはずだ。

要するに私が言いたいのは、自分に対して正直であれということだけだ。手術するにせよ、しないにせよ、自分で決めることが何よりも大切で、価値のあることだと思う。

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